毎年1~3月は多くの高校や大学が入試を行う「受験シーズン」です。志望校合格に向けて勉学に励んできた人たちがテストに挑むとあって、保護者や教育関係者ではなくても、彼らを応援したくなる人は多いと思います。
企業の宣伝活動においても、受験生への応援メッセージを発信する広告を見ることができます。OOHでもこの数年、「受験生応援型広告」は多く展開されています。例えば最近ですと、2024年1月には味の素が東京メトロ池袋駅において、「合格御守」のピールオフ展開を実施していました。御守は「受験生応援レシピ」になっており、『試験に勝つ!カツサンド』、『本気を出し切る!「ほんだし」おにぎり』 、『他を抜くぞ!たぬきうどん』など(同社公式Xより)応援メッセージが盛り込まれたレシピが載っているようです。
味の素「受験生応援レシピ付きポスター」
https://twitter.com/ajinomoto/status/1744267739949318360
このほかにも、2022年、大学入学共通テストにあわせて試験会場の最寄り駅や路線で展開された「明治プロビオヨーグルトR-1」の広告も大きな話題となりました。「事前にトイレ行っとくんだよ!」など、受験生の親たちの愛情あふれる声を集めた展開に、保護者のみならず多くの人が共感を覚えたことと想像します。
同展開を紹介する宣伝会議「AdverTimesアドタイ」記事
https://www.advertimes.com/20220121/article374621/
また、2023年、森永製菓「森永ラムネ」の展開は話題性だけでなく、公益社団法人日本アドバタイザーズ協会「第61回JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール」において屋外・交通広告部門のJAA賞グランプリに選ばれています。受験生の必携アイテム「赤シート」を使うと応援メッセージを読めるギミック展開は、「赤シートに着目がとってもユニーク」、「広告の受け手自ら広告創りに参加する参加型・体験型が素晴らしい」など審査員からもその企画性を評価する声が挙がりました。
JAA第61回2023(令和5)年度の入賞一覧
JAA賞グランプリ・経済産業大臣賞受賞作品をクリックするとpdfにて事例写真と審査員コメントを見ることができます。
https://www.jaa.or.jp/contest/adaward/archives/
一部ではオンライン化が進む受験ですが、まだまだリアル会場での試験が主流と思われます。そうした会場への導線となる電車や駅は、彼らを応援する接点としてうってつけと言えるのではないでしょうか。自宅を出て孤独な闘い(試験)に挑む若者たち。かつて「受験生だった」大人からのまなざしと共に、企業の応援メッセージは彼らに寄り添い、心に響く展開となっていることでしょう。
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