OOHのメジャメント整備に対する議論がJAAAでスタート。グローバルスタンダード化に向けて活発なやり取りが続く
昨今専門紙等でOOH業界における「日本版メジャメント」の動きについて目にする機会が増えてきました。2022年10月にはデジタルサイネージコンソーシアム監訳により、「GLOBAL OOH AUDIENCE MESUREMENT GUIDELINES 日本語版 October2022 Version1.0」が公開されました。
日本広告業協会(JAAA)においても「日本版OOHメジャメント」検討準備委員会が設置され、様々な議論を交わしています。当社も同委員会に参画し、日本版のOOHメジャメントの在り方について研究し、広告主皆さまに対する説明責任・より良いOOHの価値提供を行う事、そして日本のOOH業界の発展のために努めております。
なぜ今、OOH業界におけるメジャメントが注目されているのでしょうか。背景には様々な要因が考えられますし、その必要性は以前から指摘されていたものではあります。しかし、こうして動きが顕在化し注目されるようになったきっかけには、「コロナ禍」があると考えます。
言わずもがな、OOHはコロナ禍による影響を受けたメディアの1つです。これは日本国内だけでなく、海外においても同様でした。感染症対策に伴う人流抑制の結果、街から人がいなくなり、一時的にOOHに対しても必然的に出稿控えが起こることとなりました。
しかしながら、当時すでにメジャメントの整備が進んでいた国では、アクチュアルなデータと共に「現状の人流に即したOOHの価値」を説明することで、いち早く広告主の理解を獲得し、OOHへの出稿が戻ってきたとのことです。それどころか、すでにコロナ前を上回る水準の市場規模を獲得している国もあります。一方、日本においては回復基調にはあるものの「日本の広告費2023年」(電通調べ)でみると、2019年の水準までもう一息という状況です。
必ずしもメジャメントの整備≒市場回復・拡大というわけではありませんが、伝統的に「OOHは効果検証がし辛い媒体」という指摘が市場拡大の弊害となっていた部分は否めません。それが「コロナ」という大きな“事象”をきっかけとして「メジャラブルな媒体」へと進化しようとしているのです。これが、今OOHメジャメントが注目される要因の1つであると考えます。
このほかにも、グローバルOOHで言われる「5%シンドローム」についても業界では議論が活発になりつつあります。こちらについては、また別の機会に触れていきたいと思います。
当社では、交通広告データのほかに、豊富な事例写真のストックや媒体社取材情報など様々なOOHの“今”がわかる資料を保有しております。少しでも興味をお持ちいただいた方はお問合せフォームよりご連絡くださいませ。